ROUTE END(ルートエンド)。展開が全く予測不能!近年稀に見るサイコミステリ漫画の傑作

ROUTE END全8巻 ミステリ

ミステリ漫画で掘り出し物を見つけました!
その名も、中川海二さんのROUTE END(ルートエンド)

何だこれ。
すっごく、面白い!
こういうミステリ漫画を待ってました。
久々にミュージアム並み、いや、それ以上に引き込まれています。

多分、この漫画は、挑戦的なアニメ監督によってアニメ化されるでしょう。
それだけの価値がある作品です。


ROUTE END(ルートエンド)の魅力

この項目では、ROUTE END(ルートエンド)の魅力を紹介します。
ROUTE END(ルートエンド)は、単純な犯人当てミステリに終始しているだけのミステリ漫画ではありません。
また、展開の派手さだけに頼っている中身が薄い漫画でもありません。
そこには、『死』というものを通して描かれる濃密なドラマがあるんです。

ROUTE ENDの魅力

・地味な展開なのに面白い!→プロットがよく練られている
・『死』について丁寧に描いている
特殊清掃業という珍しい職業に就いた人物が主人公
・展開が全く予測できない
・警察などのディテールの細かさ→神は細部に宿る!

ぼくがミステリ漫画に求める要素のほとんどが、このROUTE ENDには入っているんですね。
とても面白い漫画なので、ミステリ好きは読んで損はないと思います。(バラバラ死体など衝撃的な描写は出てきますが……)

それと繰り返しになりますが、犯人当てだけがこの漫画の魅力ではない、というところが良いですね。

もちろん、フーダニット(Who done it?)、つまり、誰が犯行を行ったか、というのは、ミステリにおいては確かに重要な部分です。

でも、ぼくは正直、どうでも良かったりします。

なぜなら、傑作とされるミステリ漫画や小説で重要なことの一つは、犯人が分かったあとでも、再読に耐えられるものかどうか、だからです。
たとえば、シャーロック・ホームズの緋色の研究は、犯人が分かっても、何度も読むに値する傑作ですよね。

誤解を恐れずにはっきり言ってしまえば、犯人やオチが分かったら、もう、読む価値がなくなるミステリ漫画というのは正直、漫画としては三流だと思います。

ぼくが、ROUTE END(ルートエンド)は再読に耐えるミステリ漫画だと思うのは、複雑なプロットを構築した上で、漫画の見どころを犯人当てではなく、別のところに置いているからだと思うんです。

たとえば、ROUTE ENDは、ぼくたちにとって普遍かつ共通の問題である『死』について丁寧に描いています。
死にまつわる人間模様が、ROUTE ENDはとっても濃ゆいのです。

ぼくは、人間の暗い面を取り扱った漫画に惹かれます。
多分、ぼくにも、暗い側面があるからなのでしょう。
ぼくだけでなく、人間だれしもが、自分の影を抱えて生きているはずです。

ROUTE ENDは、淡々とした話、目立たない展開ですが、登場人物たちの死への向き合い方やリアリティを感じさせる人間模様がどんどんとページをめくらせます。
特殊清掃業という異色な仕事を主役に就かせているところも、興味が湧きました。

また、警察内部の描写についてもリアルです。
たとえば、事件現場では、登場人物たちが階級ではなく役職で呼び合っています。
刑事ドラマでは『警部』とか『警部補』と呼び合うことがよくありますが、実はあれは間違っているんです。
現実の警察官たちは、お互いを階級ではなく『係長』とか『主任』などの役職で呼び合います。

このようなディテールを丁寧に積み重ねているところが、ミステリ好きとしては好感を抱けるところです。
神は細部に宿る、といいますしね。

といろいろ語りましたが、単行本それぞれの解説もやっていきます。
忙しくてすべてを解説する余裕はないかもしれないですが、できるところまでは……。
ホント、いい作品なんです。

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ROUTE END(ルートエンド)1巻の感想・考察

ROUTE END(ルートエンド)は、第一巻だけ読むと、同じくサイコスリラーの傑作漫画『ミュージアム』と展開が似ているかも? と思うかもしれません。
が、巻数が進むにつれ、それが誤解であることに気付くことになるでしょう。

ぼくの感覚だと、ミュージアムよりも、というか、今までのどのミステリ漫画や小説に負けないくらいに真剣に、『死』というものを取り扱っている気がします。

中川海二さんは、謎の積み重ね方と話運びがとても上手な漫画家さんです。
一巻を読むとラストの引きがめちゃくちゃ気になって、次巻も買うことになるでしょう(笑)

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ROUTE END(ルートエンド)2巻の感想・考察

1巻のラストが衝撃でしたが、そこからの展開もヤバいですね。

そして、2巻で、さらに登場人物たちが深く掘り下げられます。
この漫画では、特殊清掃業という職業について結構リアルに描かれてます。
物語のパンチ力を増すためのただのギミックとして出てくるわけではなく、その職業に就いて働いている人の哲学が入ってくるので、物語にリアリティや迫真性が生れ、白けさせません。
そのあたりが、ぼくにとっての『ROUTE END』という漫画の魅力です。
もし、この時点で犯人が分かったとしても(絶対無理でしょうが)、何度でも読みたくなる漫画だなって思います。

ところで、加藤臣と柳女優香は、どうして、あんな遺体があるような場所でセックスするのだろう。
加藤と柳女の絡みは、最初はギャグとして描かれていますが、というか、ぼくは、それを見たときにズッコケそうになりましたが、セックスのあとの二人が描かれたある一コマをみてから、ぼくは、この漫画を集めていくことに決めました。

なんか、悲しいな、と感じたんですよね。
ROUTE END(ルートエンド)の基本トーンは、『悲しみ』だと思います。
2巻では、加藤臣と柳女優香のが死体があった家でセックスする理由が明らかになります。
ぼくは、ちょっとおかしいのかもしれないのですが、大分、この理由について共感してしまうんですよね。
変なのかな。

でも、こういうのが現実で、キレイなだけのものではないと思うし……。
この漫画は、ミステリだけでなく、人間の根底にある根深いものが描かれているのがいいですね。

ROUTE END(ルートエンド)は、ミステリを、人間という存在を描くための手段として使っています。
先ほども言いましたが、そういうミステリこそ傑作の条件ではないでしょうか。
犯人が分かっても、何度も読むことができるものこそ、ぼくは読みたいです。
ぼくは、金田一少年の事件簿は、読み返さないと思います。
でも、きっと、ROUTE END(ルートエンド)は何度も読むことになるでしょう。

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ROUTE END(ルートエンド)3巻の感想・考察

3巻で、ミステリ度が増し、さらに物語が面白くなります。
犯人のDNAがある重要な登場人物と一致し、しかも、その人は〇〇ゴ!?

自殺した弟『五十嵐晶』とそっくりな人物を見かけて、五十嵐秋奈も大きく動揺します。

『死』に捉えられた人たちの悲しい人間模様が描かれており、ミステリ要素も気になるのですが、登場人物たちが救われるのか、といったところも気になります。

そして、この巻で、主要な登場人物が、エンドの犠牲者となります。
だれが殺しているのか、さっぱり分かりませんが非常に戦慄する巻でした。。。

ところで、エンドの犠牲者は遺体がみんなバラバラにされていますが、死体の部位すべての遺伝子が犯人のDNAと一致しているのかどうかは気になるところですよね。。。
バラバラ死体ですから、すべての体の遺伝子が一致しているかどうかは分からないんじゃないでしょうか。
特定の部位だけしかDNA鑑定していないなら、鑑識さんが怪しくなってきます。
だって、そうなれば、〇〇ゴである必要はなくなりますし。

なんか、いろいろと気になり過ぎるし、面白過ぎるしですごいです。

普段、人が考えないようにしている『死』の臭いが濃密に立ち込めていて、エンドという殺人者は『死』や『終わり』を凝縮された概念なのではないか、とすら思えます。

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ROUTE END(ルートエンド)4巻の感想・考察

死んだ弟『五十嵐晶』にそっくりな人物に遭遇する、という展開から始まったROUTE END(ルートエンド)第四巻。
自分とそっくりな人物、双子というモチーフが描かれる作品はたくさんありますが、それが深くミステリに関わってくるところが個人的には惹かれますね。

双子の兄弟や姉妹というのは、いろいろと謎が多いな、と普通に生活していても感じますし、この要素を今後、どのように物語の中で展開させていくのか、とても楽しみです。

たとえば、
双子からクローンのテーマに発展し、『多重人格探偵サイコ』的な流れになるのかも、とか。
あるいは、
有栖川有栖の『マジックミラー』や、『ひぐらしのなく頃に』のようなミステリ的な展開へもっていくのか。
それとも、
『戦慄の絆』みたいな感じのサスペンスでいくのか。。。

いまのところ、どの方向にも舵を取れそうなので、要注目で楽しんでいます。

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ROUTE END(ルートエンド)5巻の感想・考察

 待ってました!
ROUTE END(ルートエンド)の第5巻!

やっぱり、面白い。
謎が魅力的で、でも謎すぎて、ちょっと考えるだけじゃ全く分からず、読めば読むほどにカフカの小説のように出口が見当たらなくて混乱していきます。
まさに、ROUTE END(行き止まり)の状態ですね…。
こういう世界観、好きだなぁ……。

5巻冒頭で、鬼頭壮一郎が遭遇する新たな事実に、ぼくは思考停止状態に陥りました。
ええ!?
どういうこと?!!

現実問題として、ありえなさそう。
でも、実現可能ではあるのかも……。

そんなリアルと幻想の狭間を絶妙な匙加減で突き進んでいくストーリーがいいですね。
本当に作者の中川海二さんは天才か!? とその才能に嫉妬を覚えます。

リアルと幻想の中間を行く作風は、世界観は違うけれど、竜騎士07さんのひぐらしのなく頃に、の最初の4作のときに受けた印象と似ている気がします。
今のところ、中川海二さんは、幽霊みたいなものはガジェットとして用いてはいませんが。

そして、作品内を漂うどこか終末的な雰囲気は、ぼくとしてはアナザーヘブンとかケイゾクとかセブンが流行った1990年代後半のような印象を受けます……。

ぼくは、このROUTE END(ルートエンド)という漫画の雰囲気がすごく好きです。
それと、理屈では説明できないものを描いている感じもするので、今後、謎は解き明かされず、デヴィッド・リンチのツイン・ピークスのように謎を解くことが無意味と化す可能性もあるのですが、そこは、謎は解き明かされると信じて読んでいきたいと思います(笑)

中川海二さん、すごい。
どうしてこんな漫画が描けるんだ。。。
深い漫画です。。。
そして、次巻が滅茶苦茶気になります!!

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ROUTE END(ルートエンド)6巻の感想・考察


ROUTE END(ルートエンド)第6巻は、とうとう、この物語も佳境に入ってきたからか、連続猟奇殺人者エンドの正体が分かります。
というわけで、これについてはネタバレを控えて話すことは不可能なので、もし、ネタバレをされたくない人は、ここから先は読まないでください。

▼ネタバレを読む、をクリックすると、いきなりネタバレから始まるので気をつけてくださいね💦

▼ネタバレを読む

いきなりですが、ネタバレです。

エンドの正体は、春野真人でした。
しかし、春野真人が犯人とは……。

(出典:ROUTE END(ルートエンド)6巻)

ここからは、ROUTE END(ルートエンド)というミステリ漫画について、ある種のメタ的な視点で解説させてもらいます。
実のところ、こういう殺人事件を扱った漫画や小説や映画だと、『犯人は主人公に近しい人物』というのがセオリーなんです。

ぼくは、かなりひねくれ者なので、実のところ、第一巻のラストの展開自体が、犯人をミスリードするためだと思っていました。
殺人事件の犯人を複数人とするか、あるいは、本筋の殺人犯と枝道の事件の犯人を別とすれば、エンドを春野真人とすることも可能です。

すべての事件が、同一犯に引き起こされたもの、と考えてはいけないんですね。

一巻の展開は、ミュージアムのオマージュであると同時に、ミュージアムの展開を微妙になぞることで、本当に犯人が春野兄弟の目の前に現れたことを強調し、巧みに読者を騙しているのではないか、という予感がしたわけです。

また、それに加えて、だれが犯人だったら一番ビックリするかな、という作家的な視点でも考えました。
そのとき、おそらく、春野真人かな、と思ったのです。
でも、的中したのはたまたまに過ぎないので、動機やどうやって殺したのかは全然わかりませんでした……。

ちなみに、ネタバレに直結するので、タイトルの例は挙げませんが、このような手法で、犯人をミスリードするミステリ作品は、じつは色々あります。

ROUTE END(ルートエンド)の連続殺人鬼であるエンドの正体は、ミステリ小説や漫画、映画をそれなりに読んでいないと想像することが難しいですが、目の肥えた読者なら予想できた人も多いと思います。
メタ的な手法で犯人を当てるのは、それほど難しくないんですよね。

でも、それだと、ただ、犯人を当てただけに過ぎず、現実なら、証拠がないわけですから逮捕もできない。

中川海二先生との知恵比べは完敗に終わりました……。
くっ、悔しい……っ!!
でも、まだ、勝負は終わりじゃないんだからねっ!(何の勝負だ?)

さて。
春野真人が犯人で、逮捕されました。
ということは、今度は、殺人犯の家族としての春野太慈とかれの父親、春野真人の嫁と息子にスポットが当たることになるはずです。

殺人犯の家族の世間の風当たりがどれくらい冷たく厳しいものなのかは、君塚良一監督の『誰も守ってくれない』という映画を見るととても良く伝わります。

殺人犯あるいは殺人の容疑者を身内に持ってしまった人たちの苦しみは、Netflixで配信している『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』や『ラ・モント』、殺人者への道』などでも描かれています。
どれも、ぼくにとって大好物の映画やミステリドラマで、ROUTE END好きなら楽しめるかもしれないですね(笑)

さて、話を元に戻します。

6巻にしてようやく犯人が明らかにされましたが、ちっとも物語が終わる気がしません。

だって、謎は深まるばかりですもの。
何で春野真人が人を殺すことになったのか?
また、残された家族たちはどうなるか?
なぜ、三つ子なのか?

興味が尽きず、今後のROUTE END(ルートエンド)の展開からも目が離せないです!

衝撃の展開過ぎる6巻でしたが、同時に、中川海二さんの描きたいものの深さや大きさに驚かされています。
犯人が明らかになっても、依然として明らかになっていない謎が多く、引き続き、追いかけていきたいですね。

ますますROUTE END(ルートエンド)が好きになってしまいました。

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ROUTE END(ルートエンド)7巻の感想・考察

7巻で、とうとう、連続殺人鬼ENDの真の動機が明らかになります。
長い物語もようやく幕を閉じようとしています。

そして、そこに至る道筋がとても丁寧です。
犯人だけでなく、犯人の家族・関係者にもスポットが当たります。
ENDが逮捕されたことで動揺が広がる様子が、丹念に丁寧に描かれていきます。

そして、この話は、哀しいラブストーリーだなあ、と思いました。
連続猟奇殺人というミステリを通して、人間ドラマをしっかりと描かれていて、中川海二さんはこのシーンが描きたかったのかな、とちょっとだけ感じました。

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ROUTE END(ルートエンド)8巻の感想・考察

そして、とうとう完結の8巻です。
連続殺人鬼ENDと、もう一人の影の黒幕が明かされ、本当にこの物語は終わりを迎えるのです。

でも、完全にこの物語のすべての謎が明らかにされたわけではありません。
この物語には、論理で解決できない要素も含まれています。
簡単には読み解けない部分があるのです。

きっと、この解決できない部分、現実ではありえない要素のことを不満に思う読者もいるでしょう。
でも、このカンタンに飲み込めない要素こそ、この物語を記憶に残る物語にしているポイントなのではないかとも思います。
もしかしたら、本当は物語をきちんと解決させようとしていたけれど、風呂敷をたたむことができなかった、という可能性もあるかもしれません。

本格ミステリの皮を被ってでてきたような雰囲気があったのに、きちんと現実的に解決しないなんてずるいと言う人もいるかもしれません。

でも、ぼくは、このROUTE END(ルートエンド)という漫画にのめり込みました。
夢中になって読みました。
読んでいるとき、夢中になって、短い間だけですが現実の嫌なことや煩わしいことを全部忘れることができました。
ぼくにとっては、それが全てじゃないかな、って思うんですよね。
夢中になって読ませたら、もう、勝ちですよ(笑)

いかがでしたか。

勢いあまって、ROUTE END(ルートエンド)の全8巻の感想や考察をやってしまいました。
少しでもROUTE END(ルートエンド)というミステリ漫画の魅力が伝わったなら嬉しいのですが……。

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